EC業界の現状・今後の動向について

ECの種類

そもそもECとは、「electronic commerce」の略で、電子商取引を意味します。つまりECサイトとは、インターネット上でショッピングを行えるウェブサイトを指します。

ECは、大きく「総合型」「ジャンル特化型」「CtoC型」に分けることができます。

総合型……AmazonやYahoo!ショッピング、楽天などを代表とする、総合的に商品を取り扱うECサイトです。日用品からまでニッチな趣味のアイテムまで、売り場を必要としないネット販売の強みを生かし、幅広く圧倒的な量の商品展開を行えることが強みです。

※サイト例:Amazon、Yahoo!ショッピング、楽天市場、Wowma!、ポンパレモール、&mall、omniモール、Qoo10、ヤマダモール、ロハコモール、dショッピング、ベルーナ、千趣会など

ジャンル特化型……洋服や食品、またはオフィス用品や家電など、ある特定のジャンルに特化したECサイトです。商品数や集客力は総合型ECサイトに劣りますが、消費者にとっては商品が探しやすく、貴重な商品を扱っている場合もあるので、固定客がつきやすいという強みがあります。

※サイト例:ファッションのZOZOTOWN、食品のオイシックス、おとりよせネット、ぐるなび食市場、オフィス用品のアスクル、家電の上新電機など

CtoC型……CtoCとは、消費者(Consumer)から消費者へ、つまり消費者間取引のことを指す言葉です。ECサイトの場合、メルカリやヤフオクに代表されるような、出品者も買い手も個人であるサイトのことを言います。

※サイト例:mercari、ヤフオク!、ラクマ、Creema、iichi、minneなど

ECの収益構造

ECサイトの収益の仕組みは、主に2つに分かれます。

AmazonやYahoo!ショッピング、楽天市場などの、出品者とサイト運営者が異なるショッピングモール型ECサイトでは、出品者から手数料などを取ることで収益を上げています。出品者はこうしたショッピングモール型ECサイトを利用することで、より集客が見込める半面、出品するだけでコスト(初期費用、月額利用料、販売手数料など)を支払わなければいけません。その出品コストがECサイト運営会社の収益になっているのです。

対して、自社商品を自社のサイトで売る自社サイト型ECサイトは、モールを介さず直接販売するので、出店料コストはかからず、月々発生する運用コストを抑えることができます。

EC業界の職種・業務フロー

業務内容としては、大きく「受注・顧客管理」、「基幹システム管理」、「プロモーション」、「出荷・配送管理」に分かれます。

それぞれに担当者がつく場合もあれば、複数の業務を横断的に対応する場合もあります。また、プロモーションを外注したり、出荷・配送業務を外注したりする場合も多くあります。

EC業界の現状と脅威

出所:経済産業省 – 電子商取引に関する市場調査 
https://www.meti.go.jp/press/2019/05/20190516002/20190516002.html

経済産業省によると、平成30年のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)の国内市場規模は18.0兆円で、前年に比べ8.96%も増加しています。グラフを見ても、増加傾向が続いているのが分かります。また、平成30年のBtoB-EC(企業間電子商取引)の国内市場規模は344.2兆円で、こちらも前年に比べ、8.1%増加しています。

また、EC化率(※1)は、BtoB-ECで6.22%(前年比0.43ポイント増)、BtoB-ECで30.2%(前年比0.8ポイント増)と、ともに増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展していくことが期待されます。

※1EC化率……すべての商品取引のうち、電子取引が占める割合のこと

また、ECサイトはグローバル展開できることが強みです。中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は1兆5,345億円(前年比18.2%増)、米国事業者からの越境EC購入額は1兆7,278億円(前年比18.5%増)であり、海外の顧客も大幅に増加しています。

一方、脅威としては、個人情報漏洩のリスクがあり、一気にサイトの信用を失いかねないこと、運送会社の送料や荷役費、梱包資材費の高騰などに収益を左右されることが上げられます。

EC業界の魅力

商品やサービスの対面販売と違い、写真・動画・テキスト・SNS・広告など様々な方法やメディア媒体で顧客にアプローチを行うため、他の業種以上に様々な販売経験を積めることができます。またEC業界での経験は、他業種でも多く活かせることが魅力です。

また、EC業界ではIoT、AI、オムニチャネル(※2)などを取り入れ時代の最先端を進んでおり、様々な可能性を魅せてくれるでしょう。またEC業界は今後、ますます国境を越えグローバルに展開されていく大変魅力的な業界です。

※2オムニチャンネル……インターネット上だけでなく、実店舗などとも連携し、売上アップを狙っていく方法

投稿者プロフィール

小宮山真吾
小宮山真吾
2004年よりECサイト売上ノウハウの講師を担当し、全国で売り上げアップの連続セミナーを開催。コーチングを取り入れた講演は、参加者の問題解決や気づきに活かされ、内外から高い評価を受け開催オファーが後を絶たない。オリジナルメソッドで、すぐに実行できる実践体験型セミナーを開催する。全国高評価講師 第1位(全国商工会連合会「経営革新塾」(IT戦略的活用コース)2010年顧客満足度調査)
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